【5月16日 AFP】米国が離脱を決めたイラン核合意を救うため関係国を歴訪中のイランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は15日、ベルギーのブリュッセルで、欧州連合(EU)のフェデリカ・モゲリーニ(Federica Mogherini)外交安全保障上級代表(EU外相)および核合意の当事国である英国、フランス、ドイツの外相と会合を開いた。EUは核合意維持のための方策について検討を始めたことを明らかにした。

 ちょうど1週間前の今月8日にドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が2015年に成立した歴史的な核合意から離脱すると発表したことを受けて、欧州はこの合意にとどまるようイランへの説得に追われている。

 米政府が対イラン制裁の再発動を検討している中、イラン政府は欧州に対し、核合意がもたらした経済的恩恵が維持されることが保障されなければ「産業規模」のウラン濃縮を制限なしで再開する用意があると警告している。

 モゲリーニ氏は、イランによる石油・天然ガス製品の販売や国際金融市場へのアクセスの確保など9項目の重要課題についてEUの専門家らが今後数週間で具体的な提案を出すことを目指していると述べた。

 今回の慌ただしい外遊ですでに核合意の当事国であるロシアと中国を訪問したザリフ外相は、最後の訪問先となったブリュッセルで協議後に記者会見を開き、「良い出だしだと確信している。まだ解決には至っていないが解決への道を歩み始めた」と述べた一方、イラン政府としては要求している保障への取り組みが「今後1~2週間で」前進することを期待しているとくぎを刺した。(c)AFP/Damon WAKE