【5月14日 AFP】国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」の指導者、アイマン・ザワヒリ(Ayman al-Zawahiri)容疑者は13日、在イスラエル米国大使館のエルサレム移転を翌日に控え、米国による移転の決定は交渉や妥協策でパレスチナ人を裏切ったことの証拠だとして、イスラム教徒らに米国に対するジハード(聖戦)を実行するよう呼び掛けた。

 米テロ組織監視団体SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)が「テルアビブもムスリム(イスラム教徒)の土地(Tel Aviv is Also a Land of Muslims)」と題された5分間の映像の内容を公開した。ザワヒリ容疑者はその中で、パレスチナ当局を「パレスチナを売った組織」と非難している。

 ザワヒリ容疑者は、大使館移転を決めたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領について「あからさまな人物で、現代の十字軍の本当の顔をさらけ出した。彼らに対しては身を引くことや妥協は通じず、呼び掛けやジハードによる抵抗しか通じない」と主張した。

 エジプト人で元外科医のザワヒリ容疑者は、アルカイダを設立したウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者が2011年に殺害された後、トップを引き継いだ。

 ザワヒリ容疑者は動画の中で、ビンラディン容疑者が米国を「ムスリムの第一の敵」と宣言したことにも言及。「不信心者らがすべてムハンマドの土地を去るまで、米国は安全を夢見ることはできない」と警告した。

 エルサレムでは13日、大勢のイスラエル人が愛国心や親米感情に浸りながら行進を行った。パレスチナ人も14日にガザ地区(Gaza Strip)などでデモを計画している。(c)AFP