【5月13日 AFP】北朝鮮は12日、同国北東部の豊渓里(Punggye-ri)核実験場を今月下旬に破壊すると表明した。外国メディアを廃棄式典に招待し、その面前で実験場の坑道を爆破するという。

 式典は、来月12日にシンガポールで行われる米朝首脳会談に先立ち、今月23日から25日の間に実施される予定。実行されれば、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長によるアピール攻勢のさらなる一歩となる。

 金委員長は先ごろ、同国の核兵器開発はすでに完了しており、豊渓里核実験場は必要なくなったと宣言している。

 国営の朝鮮中央通信(KCNA)によれば、北朝鮮外務省は、廃棄式典では同実験場の坑道を爆破し、入り口を完全に封鎖すると表明。実験場の観測設備や研究施設、警備隊はすべて撤去・撤収され、「実験場の周辺域は完全に閉鎖される」としている。

 また、廃棄を「透明な形で」示すため、中国、ロシア、米国、英国、韓国の報道陣を招待するという。同省は、招待される外国の報道関係者が制限される理由として、核実験場が「無人の山奥」にあることを挙げている。

 米マサチューセッツ工科大(MIT)のビピン・ナラン(Vipin Narang)教授(政治学)は、北朝鮮の核実験場廃棄について「悪くはないが、コストのかからない意思表示だ」と述べた。(c)AFP