【5月11日 AFP】米サウスウエスト航空(Southwest Airlines)機のエンジンが飛行中に爆発し、同機を冷静に緊急着陸させたことで英雄視されている女性機長が、当初機長を務める予定だったのは夫で、直前に乗務を交代していたと語った。10日に放送されたテレビインタビューの予告編で明らかになった。

 元米海軍所属のタミー・ジョー・シュルツ(Tammie Jo Shults)氏(56)は、先月17日に起きた事故後初となるテレビインタビューに応じ、ABCニュース(ABC News)の番組「20/20」に出演した。

 その中でシュルツ氏は、当初ニューヨーク発ダラス(Dallas)行きのサウスウエスト航空1380便の機長を務めることになっていたのは、やはり同社のパイロットである夫のディーン(Dean Shults)氏もだったと明かした。乗務を交代したのは、息子の学校の運動会に参加したかったからだという。

「あの乗務は夫と交代して受けたものでした。夫とは金輪際交代しません」とシュルツ氏は笑った。

 同氏によると、機体が高度約9800メートルに達するまでは万事正常だったが、「大きなバン」という音を聞くや否や、急減圧が始まったという。これがエンジンの爆発音だったとみられる。

 シュルツ氏はその時、海軍時代を思い出したと言い、「ごう音で、手で合図し合いました。さまざまな理由で、コミュニケーションを取るのがとにかく難しかった」と振り返った。

 シュルツ氏は緊急着陸後、自ら降機口に立って乗客らを送り出したという。「母にかつてこう言われたことがありました、『私が飛行機の乗客なら、何が起きているか知りたい』と。だから皆さんに対し、自分の家族と同じように接しようと思ったんです」(c)AFP