【5月11日 AFP】米アップル(Apple)は10日、アイルランドにデータセンターを建設する計画を中止すると発表した。8億5000万ユーロ(約1100億円)規模の建設計画をめぐっては、森林保護活動家との訴訟沙汰に発展していた。

 アップルは声明で「残念ではあるが、わが社の事業は成長を続けており、今回の挫折によってアイルランドでの今後のプロジェクトに対するわれわれの熱意がそがれることはない」と述べた。

 アップルの計画は、アイルランド西部ゴールウェー(Galway)州に、サッカーのピッチ40枚分に相当する敷地面積約16万6000平方メートルのデータセンターを建設するというものだったが、環境への影響を心配する自然保護活動家3人との間で訴訟に発展していた。

 アイルランド高等法院が昨年10月、活動家らの控訴を棄却したためアップルは計画の進行が可能になったと受け止めていたが、同国最高裁は先週、上告を受理。計画にさらなる遅れが生じる見通しとなっていた。

 2015年に発表されたデータセンター建設計画は、アイルランド西部では最大の民間投資となるはずだった。アップルは森林の中にデータセンターを建設し、環境への悪影響があれば修復し、センターの運用には再生可能エネルギーを使うと約束していた。(c)AFP