【5月10日 AFP】南大西洋の英領サウスジョージア島(South Georgia)で、アザラシやクジラ猟に従事する船に乗って2世紀前に侵入したネズミ類が退治されたことが分かった。自然保護活動家らのチームが9日、ネズミ類の根絶を宣言した。

 英米の科学者で構成されたチームは、この種のものとしては最大規模となるネズミ駆除作戦を10年にわたって展開。1000万ポンド(約15億円)もの資金が投じられたこのプロジェクトは、1087平方キロのエリアで毒餌を使って実施された。

「サウスジョージア・ヘリテージ・トラスト(South Georgia Heritage Trust)」プロジェクトを率いるマイク・リチャードソン(Mike Richardson)氏は「外来種であるネズミ類をこの島から根絶することに成功した」と発表。

 声明によれば、サウスジョージア島では18世紀後半に人間の活動が始まると、ネズミ類も一緒に島に入り込み、在来種の鳥たちに「壊滅的な影響」を与え、タヒバリとオナガガモの固有種2種の生存を脅かしているという。

 また南米の先端に位置し、南極にも近い辺境の島に生息するこうした鳥たちは、次第にネズミ類のいない沖合の小さな島々に追いやられるようになった。

 研究者らは、今回のネズミ類根絶プログラムが世界各地で外来種駆除の手本となることを期待している。(c)AFP