イラン各紙、米の核合意離脱への対応で意見二分
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【5月9日 AFP】イランの現地各紙は9日、核合意からの離脱を表明したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を非難した一方、イラン政府が米国に対し辛抱強く対応すべきか、それとも合意から離脱すべきかについては意見が分かれた。
トランプ大統領は8日、イラン核合意からの離脱を表明。イランに「最高レベルの経済制裁」を科す意向を示したが、改革派系の有力紙エテマド(Etemad)は一面の見出しに「厄介者のいない核合意」と付け、ハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領の「誓約を順守しない人物の悪意から解放された。イランの国益が保証される限り、核合意は続くだろう」というツイッター(Twitter)の投稿を掲載した。
また別の改革派系の新聞も、欧米など6か国と2015年に結んだ核合意にとどまることは「イラン政府の理にかなった決定」であると表現した。
一方で保守系日刊紙ケイハン(Kayhan)は「トランプ氏は核合意を破棄した、次はわれわれが破棄する番だ」と掲載し、最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師が主張する合意にとどまらない考えを支持した。
また別の保守系紙「ジャバン(Javan)」も一面の見出しで「イランは団結し、抵抗する」と訴え、社説で「今は他国を非難するのではなく、団結する時だ。イランの再生のための機会だ。われわれのスローガン『米国に死を』はただのスローガンではない。われわれからすれば米国は事実上、死んだようなものだ」と強調した。(c)AFP