【5月8日 AFP】米国で7日、飲食・食品チェーンに栄養情報の表示を義務付ける規則が発効した。バラク・オバマ（Barack Obama）前大統領が成立させた法律に盛り込まれていたもので、これにより全米の何千ものレストランや食料品店、映画館などで提供される食品にカロリーが表示され、米国民は「食は人を表す」という言葉を繰り返し思い浮かべることになりそうだ。

　この規則は、オバマ前大統領が手掛け、ドナルド・トランプ（Donald Trump）大統領が撤廃を目指している2010年の医療保険制度改革法（通称オバマケア、Obamacare）に含まれて議論を呼んでいたもので、施行が何度も延期されてきた。

　だが米食品医薬品局（FDA）は昨年、20以上の店舗を持つ飲食チェーン、さらにスーパーやコンビニのチェーンに、定番メニューのカロリー表示を義務付ける同規則を施行すると発表。

　マクドナルド（McDonald's）やタコベル（Taco Bell）など、大手ファストフードの多くはこの規則を既に自主的に履行しているが、政府がついにこれを義務化した形だ。

　FDAのスコット・ゴットリーブ（Scott Gottlieb）長官は、メニューにカロリーが表示されている場合、1回の利用ごとに摂取が30～50キロカロリー少なくなるという研究もあるとして、「全米でメニューのカロリー表示を行うことにより、われわれが最も頭を悩ませている健康上の課題の一つである肥満率の大幅改善の一助になり得る」と期待を示した。

　米国では国民の3分の1以上が肥満で、心臓病や糖尿病、一部のがんの発症リスクが高まっている。(c)AFP