導入から半世紀、国内改修で生まれ変わるミラージュ戦闘機 パキスタン
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【5月27日 AFP】パキスタン北部のカムラ(Kamra)にある広大な施設からミラージュ・ローズ1(Mirage Rose-1)戦闘機がごう音とともに飛び立っていく。パキスタン空軍が進める老朽化したミラージュ戦闘機の近代化改修で生まれ変わった機体だ。
パキスタン政府が仏防衛大手ダッソー・アビアシオン(Dassault Aviation)から初めてミラージュ戦闘機を購入したのは1967年。それから半世紀以上がたち通常なら退役するところだが、修理やオーバーホール、改修によって今なお現役であり続けている。
首都イスラマバードの西にあるカムラの施設を訪れたAFPの取材班は、1967年に購入されたミラージュ戦闘機2機のうちの1機で、同施設では最も多い5回目のオーバーホールを終えた機体が格納庫にあるのを目にした。
通常、ジェット機は約12年を1サイクルとして2〜3サイクル使用されるが、パキスタン政府にとって海外でのオーバーホールは費用がかかり過ぎた。そこでパキスタン空軍はダッソーの支援も得て、国内で整備や改修を行うことを決断した。
1978年、パキスタン航空工業団地(Pakistan Aeronautical Complex、 PAC)にミラージュ・リビルド工場(MRF)が設置された。整備用格納庫を担当するムハンマド・ファルーク(Muhammad Farooq)大佐は、具体的な金額の算出は難しいが、工場のおかげでこれまでに節約できた金額は数十億ドルに上ると語った。
ファルーク大佐によると、受け入れ能力は通常年間12機以上で、オーバーホールや再塗装に7週間ほどかかるという。既に10年ほど先のスケジュールまで埋まっているという。(c)AFP/Nasir JAFFRY