【5月6日 AFP】(写真追加)韓国警察は5日、南北を隔てる軍事境界線に近い坡州(Paju)で、活動家らによる北朝鮮を批判するビラの散布を制止した。先月行われた南北首脳会談での合意を受けた措置。

 南北を分断する軍事境界線上の板門店(Panmunjom)で4月27日に行われた南北首脳会談で、文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は、平和の回復と和解を目指し、すべての敵対行為を完全に中止することで合意。これには、拡声器による放送や風船による宣伝ビラ散布も含まれる。

 南北は今週、合意に従って拡声器を撤去した。

 坡州の公園には、風船にビラを付けて飛ばすため複数の脱北者を含む活動家約20人が集まったが、当局は警察官約300人を投入。小型トラックを取り囲み、活動家らが約5000枚のビラ、風船、ガスボンベをおろすのを阻止した。

 ビラ散布の活動を主導している脱北者の朴相学(パク・サンハク、Park Sang-Hak)氏は、北朝鮮は何も変わっていないのに、韓国人は「金委員長の平和攻勢に酔いしれている」と指摘。

 朴氏は「北朝鮮人に真実を知らせる」ために北朝鮮側にビラを飛ばし続けて「金正恩政権に終止符を打つ」と誓った。(c)AFP