【5月5日 AFP】インドネシア当局は首都ジャカルタで4日、メタンフェタミン(結晶状覚せい剤)2トン以上を焼却処分した。当局は違法薬物の取り締まりを強化しており、これだけの量の焼却処分は近年最大級。

 インドネシアの違法薬物取締法は世界でも有数の厳しさで、密輸の罪には死刑も規定されている。

 今回処分されたメタンフェタミンは今年、シンガポールに近い領海内で2回にわたって行われた取り締まりで、外国籍の船から押収されたもの。当局は、乗組員の台湾人4人と中国人4人を逮捕した。

 処分には手袋とマスクを身に着けたユスフ・カラ(Jusuf Kalla)副大統領も立ち会い、自ら複数の結晶メタンフェタミンが入った袋を焼却炉に投げ入れた。

 カラ副大統領は「2.6トンものメタンフェタミンを押収した警察に敬意を表する。しかしまだ大量の薬物が出回っており、危険は残っている」と述べた。

 ジョコ・ウィドド(Joko Widodo)政権下では、2015年に違法薬物密輸罪に対する死刑が再開され、これまでに有罪判決を受けた外国人15人を含む18人が銃殺刑に処され、各国の反発を招いてきた。

 先月には台湾人8人が違法薬物の密輸で有罪となり、死刑を言い渡されている。(c)AFP