【5月5日 AFP】米コロラド州で、米先住民の若者2人が大学の見学ツアーに参加中、2人の存在に「不安」を感じたある保護者が警察に連絡し、2人が見学ツアーの団体から引き離されるという出来事があった。

　2人の母親は、コロラド州立大学（Colorado State University）で先月30日に起きたこの件について、明らかにレイシャルプロファイリング（人種による追求差別）だとして怒りをあらわにした。

　母親は、19歳と17歳の2人の息子が一緒にニューメキシコ州からコロラド州フォートコリンズ（Fort Collins）に車で行くための費用をかき集めていたことを、フェイスブック（Facebook）に数回投稿し、また地元メディアのインタビューでも明かした。

　フェイスブックへの投稿で母親は「はずかしがり屋でおとなしい性格の息子たちは、見学ツアーでの気さくな会話にも積極的に参加できていなかった。それで誰かが（息子たちの存在に）不安になり、大学に常駐する警察を呼んだ」「警官は2人を脇に連れ出し、見学ツアーは息子たちが除外されたまま続けられた」と話した。

　2人は警察に身体検査をされ、尋問されたのちに解放された。

　大学側は学生らに宛てた電子メールでこの出来事について「ほぼあらゆる角度から見て嘆かわしく、失望させられる」とし、今後このような出来事を回避するために調査を行っていると述べた。

　また同州のダナ・リン（Donna Lynne）副知事は、「キャンパスツアーがより良く行われるよう新しい手順が導入される」と声明で述べ、「われわれの公立大学が全ての学生にとって、開かれた心地よい場所であるよう維持することは、われわれの責任だということを改めて言いたい。多くの先住民らにとって故郷であるコロラド州の大学に入ることを、2人の若者に思いとどまってもらいたくない」と訴えた。(c)AFP