大韓航空社員ら、経営者一族の退陣要求デモ ナッツ事件と水掛け事件で
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【5月5日 AFP】韓国の首都ソウルの光化門広場(Gwanghwamun Square)で4日夜、同国の財閥、韓進グループ(Hanjin Group)傘下にある大韓航空(Korean Air)の数百人の従業員らが、同グループ会長の娘で、暴行と業務妨害の疑いが持たれていた趙顕ミン(チョ・ヒョンミン、Cho Hyun-min)氏の逮捕状請求が棄却されたことを受け、経営者一族の退陣を要求するデモを行った。趙顕ミン氏は最近、会議中に激高して取引先の従業員の顔にジュースを掛けたとされる「水掛け事件」で一躍注目を集めていた。
大韓航空や複数の物流運輸会社を傘下に置く韓進グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ、Cho Yang-ho)会長とその一族は、相次ぐスキャンダルで従業員の激しい反発を招いている。
趙一族の長女、趙顕娥(チョ・ヒョナ、Cho Hyun-Ah)氏は2014年、大韓航空機内で乗務員がマカダミアナッツをボウルに移し替えず袋のまま提供したことに激怒して乗務員2人を土下座させ、滑走路に移動中だった同機をターミナルに引き返させてこのうちの一人を降ろさせたいわゆる「ナッツ事件」を起こし、世界中のメディアに大々的に報じられた。
4日のデモには大韓航空の従業員とその家族ら約400人が参加。「趙一族は退陣せよ!」とシュプレヒコールを上げたり、「趙、お前は首だ!」「趙亮鎬は出て行け!」と書かれたプラカードを掲げたりするなどした。忠節が重んじられる韓国で大手複合企業の従業員が表立って経営者に反旗を翻すのは異例。(c)AFP/Sunghee Hwang