不明マレー機捜索で発見の難破船、19世紀の商船と特定
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【5月5日 AFP】2014年に消息を絶ったマレーシア航空(Malaysia Airlines)MH370便の捜索中、遠洋の南極海(Southern Ocean)海底で見つかった2隻の難破船が、いずれも19世紀に最大30人を乗せ石炭を輸送していた商船だったことが分かった。
同機は2014年3月、主に中国人からなる乗客乗員239人を乗せ、マレーシア・クアラルンプールから中国・北京へと向かう途中で消息を絶った。その後、オーストラリアの主導で航空史上最大規模の捜索活動が行われたが、最深で3900メートルの深さにある海底で難破船2隻が偶然見つかったものの、機体発見には至らず、捜索は昨年1月に打ち切られた。
今年1月にはマレーシア政府の委託により、民間の調査船が当初の捜索対象海域の北方で同機の捜索を再開。報酬は機体を発見した場合のみ支払われることとなっているが、今ところ成果は出ていない。
西オーストラリア博物館(Western Australian Museum)は、最初の捜索活動で得られた音波探知器のデータと映像を分析し、見つかった難破船2隻の特定を試みた。その結果、両船ともに石炭を運んでいた19世紀の商船で、片方は木製、もう片方は鉄製であることが分かった。
木船は、1876年に英スコットランド・グラスゴー(Glasgow)から豪アデレード(Adelaide)に向かっていた途中に消息を絶った「W・ゴードン(W. Gordon)号」か、英ウェールズ・ペナース(Penarth)からインドネシア・テルナテ(Ternate)に向かっていた「マグダラ(Magdala)号」のいずれかとみられる。
一方の鉄船は、いずれも小型帆船の「クーリンガ(Kooringa)号」(1894年)、「レイク・オンタリオ(Lake Ontario)号」(1897年)、あるいは「ウェスト・リッジ(West Ridge)号」(1883年)の可能性があるが、ウェスト・リッジ号であることが最も有力視されている。
木船の方は損傷が激しく、当時の石炭運輸では珍しくなかった爆発が起きた可能性がある。一方の鉄船は、より完全に近い形で残っていた。(c)AFP