【5月5日 AFP】米国防総省は、中国の華為技術(ファーウェイ、Huawei)と中興通訊(ZTE)が製造した携帯電話などの製品について、「許容不可能」なセキュリティー上の危険をもたらすとして、米軍基地での販売を禁じた。

 同省では、一般消費者向けの電子機器が軍人の通信を傍受したり、その位置を追跡したりするため使われることへの懸念が高まっている。

 同省のデイブ・イーストバーン(Dave Eastburn)報道官は4日、「ファーウェイ、ZTEの機器は(軍の)人員、情報、任務に対して許容不可能なリスクをもたらす」と指摘。世界各地の米軍基地で軍が経営する店舗で両社製品の販売を続けることは「賢明ではない」と述べた。

 同報道官によると、先月25日にファーウェイ製品の販売中止が指示され、さらにZTE製の携帯電話やその関連製品も基地内の店舗から撤去された。

 同報道官は潜在的な脅威に関する技術的な説明を避けたが、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、国防総省は、両社の機器を使う兵士の位置情報が中国政府に追跡されることを懸念している。

 ファーウェイの広報は、同社の機器は米国を含め同社が事業を展開するすべての国で、セキュリティー、プライバシー、技術の各面で最高の基準を満たしていると主張。さらに「われわれのネットワークや機器のセキュリティーや健全性を損なうような要請は、いかなる政府からも受けていない」と説明した。

 ZTEは現時点でコメントの求めに応じていない。(c)AFP