棒高跳び女王、男性ホルモン値制限は「全種目対象にすべき」
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【5月4日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)が男性ホルモンのテストステロン値の高い女子選手を対象にした新規則を特定の競技だけに適用させることに関して、棒高跳びの女王エカテリニ・ステファニディ(Ekaterini Stefanidi、ギリシャ)は、公平性を求めるのであれば「全種目を対象にするべき」と強く批判した。
生まれつき男性ホルモン値が高いアンドロゲン過剰症の女子選手への対抗措置として、IAAFは先日、今年11月1日から導入する新たな規則を公表した。対象選手は同値のレベルを下げるための薬を服用した場合のみ、競技に出場できることになっている。
しかし、タイトルに「体の性のさまざまな発達状態(性分化疾患、DSD)」の語句が入った今回の規定は、IAAFのメディカルサイエンス部門の研究データで、アンドロゲン過剰症の選手にとってアドバンテージがあると示された距離に当たる400メートルから1600メートルまでの各レースだけに適用されることになっている。
この問題では女子800メートルで通算2度の五輪金メダルに輝いたキャスター・セメンヤ(Caster Semenya、南アフリカ)が、アンドロゲン過剰症の影響から飛び抜けた身体能力を持っているとして、競技の公平性と生まれつきこの体質である女性の権利をめぐり、これまで何度も議論の対象となってきた。南アフリカ陸上連盟(ASA)は3日、この規則について「ねじ曲がっている」と主張し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する意向を示した。