【5月3日 AFP】英政府は2日、国の乳がん検診プログラムに10年近くにわたって「重大な過失」があり、45万人の女性に対し検診の案内状が届かず、最多で270人の寿命を縮めた恐れがあると明らかにした。

 ジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)保健相が議会で過失を謝罪。問題の原因は「コンピューターアルゴリズムの不具合」にあるとした。

 同国イングランド地方の50~70歳の女性に対しては、国民保健サービス(NHS)から3年おきに乳がん検診の案内状が自動送付される。

 しかし2009年から今年初めにかけて、推計で45万人の女性に対し、68歳~71歳の誕生日の間に送付されるべき最後の検診の案内状が届いていなかったことが判明した。

 ハント保健相は、臨床上の影響把握のため第三者機関による調査を指示しているが、「診断の遅延が悪影響や死をもたらしたかどうかは明らかになっていない」と述べた。

 ただ、「結果として寿命が縮まった女性が135~270人いる恐れがある」と認めた。(c)AFP