104歳豪科学者、自ら命絶つためスイスへ出発
このニュースをシェア
【5月3日 AFP】オーストラリアの最高齢科学者、デービッド・グドール(David Goodall)氏(104)が2日、自らの命を絶つためスイスへ旅立った。死ぬために国外へ出ざるを得ないことに怒りを覚えると話していたグドール氏は、出発の際「Ageing Disgracefully(屈辱的に年齢を重ねている)」という言葉が入った洋服を着ていた。
グドール氏は不治の病を患っているわけではないものの、生命の質が低下し、スイスのバーゼル(Basel)にある自殺ほう助機関「ライフサークル(Life Circle)」で優先予約が認められたという。
安楽死支持者らがAFPに明かしたところによると、グドール氏は同日遅く、最後のお別れを言う友人や家族らに見守られて、パース(Perth)で飛行機に乗り込んだという。
同氏はフランスのボルドー(Bordeaux)で他の親族らと数日間共に過ごした後、スイスに向かう。同氏がスイスで自ら命を絶つのは今月10日の予定。
グドール氏は出発に先立ち、豪ABCに対し「スイスは良い国だが、行きたくはない。しかし、オーストラリアの制度では認められていない自殺の機会を得るためには行かざるを得ない。強い憤りを感じる」と話していた。
自殺ほう助は大半の国で違法行為とみなされる。オーストラリアのビクトリア(Victoria)州では昨年、同国で初めて、安楽死の合法化法案が可決され、来年6月に施行されるとはいえ、対象となるのは健全な精神状態を持つ末期患者で、かつ余命6か月以内とされる場合に限られている。(c)AFP