【4月28日 AFP】英国で、重病で人工呼吸器によって生命が維持されてきたアルフィー・エバンス(Alfie Evans)ちゃんが28日、呼吸器が外され、死亡した。息子の延命のために法廷で争い、ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王の支持も得ていた男児の両親が明らかにした。

 父親のトム・エバンス(Tom Evans)さんと母親のケイト・ジェームズ(Kate James)さんはフェイスブック(Facebook)で発表した声明で、「午前2時30分(日本時間同日午前10時30分)私たちの息子に翼が生えた(天使になった)。私たちは悲しみに打ちひしがれている。これまで支援してくださった皆さん、ありがとう」と述べた。

 医師団側の提案に反対しアルフィーちゃんの延命治療継続を求めていた両親の申し立てを裁判所が退けたことから、人工呼吸器は23日に取り外されていた。

 アルフィーちゃんは、まれな神経変性疾患で慢性てんかん発作があり、2016年12月から入院していたが、人工呼吸器が取り外されればその命はたちまち奪われてしまう状態だった。

 両親は、英イングランド北西部リバプール(Liverpool)の小児病院がアルフィーちゃんの人工呼吸器を停止しようとするのを阻止し、治療継続のためにイタリアの首都ローマにある小児病院にアルフィーちゃんを転院させるために法廷で争ってきた。

 アルフィーちゃんをめぐっては、父親はフランシスコ法王と面会し「息子を救ってください」と訴え、フランシスコ法王もこれまでに数回、アルフィーちゃんについてコメントを発表。今週初めにはツイッター(Twitter)に「新たな治療を行いたいという(両親の)気持ちが聞き届けられることを願う」と記していた。(c)AFP