【4月27日 AFP】それは、朝鮮半島の人々が10年以上待ち望んだ歴史的な瞬間だった。南北を隔てる軍事境界線でしっかりと握手を交わした北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong Un)朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領は、まるで即興でダンスを踊るように境界線上を行ったり来たりした。

 板門店(Panmunjom)で対面した両首脳は、およそ30秒間にわたって境界線上で固く手を握り合い、それから笑顔の文大統領が韓国側へ金委員長を招き入れた。1953年の朝鮮戦争停戦以来、北朝鮮の指導者が韓国側に足を踏み入れたのは初めて。

 両首脳はカメラに向かってポーズを取ったが、その後、金委員長が文大統領を北朝鮮側へとうながした。

 文大統領は一瞬迷うような様子を見せたが、金委員長は断られるなど思いもよらないかのように陽気な態度で文大統領の手を取り、連れ立って境界線の北側へ。両首脳はそこで改めて友好的に握手した。

 笑顔で手をつないで韓国側に戻る両首脳の様子は、見事に南北統一のイメージを表現していた。(c)AFP/ Richard CARTER