【4月27日 AFP】米ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の新たな国務長官に26日、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)前中央情報局(CIA)長官(54)が就任した。トランプ氏の強力な支持を得て、ただちに欧州・中東外交に臨む。

 陸軍出身で強硬派とみられているポンペオ氏の国務長官人事をめぐっては、トランプ大統領の好戦的な外交姿勢が加速しかねないとして民主党が反対していた。しかし、26日の上院本会議で再選に向け苦戦を強いられている民主党議員の一部が賛成に回り、賛成57票、反対42票で承認された。

 承認から1時間余り後、ポンペオ氏はホワイトハウス(White House)でサミュエル・アリート(Samuel Alito)連邦最高裁判事の立ち合いの下、就任宣誓を行った。

 国務省はただちに、27日にベルギー・ブリュッセルで開かれる北大西洋条約機構(NATO)外相理事会にポンペオ氏が米代表団を率いて出席すると発表した。ヘザー・ナウアート(Heather Nauert)国務省報道官によると、ポンペオ氏は続いてイスラエル、ヨルダン、サウジアラビアを歴訪する。訪問国は「中東の主要同盟国としての重要性」に基づいて選ばれたという。

 昨年トランプ大統領からCIA長官に抜擢されたポンペオ氏は、北朝鮮やイランに対して強硬な発言を繰り返してきた。ホワイトハウスの情報会議では、世界の安全保障に関する詳細な分析よりも簡潔で視覚的に訴える説明を好むトランプ氏の要望に応え、信頼を勝ち取った。

 その間、ポンペオ氏は外遊を重ねて中東を中心に各国首脳や安全保障担当と会談。北朝鮮との対話再開でも、北朝鮮側が大陸間弾道ミサイル(ICBM)で米本土を核攻撃できると威嚇する中、3月末に平壌を極秘訪問して金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長と面会し、早ければ5月にも開催される歴史的な米朝首脳会談に向けて協議するなど交渉を主導した。

 ホワイトハウスは26日、ポンペオ氏と金正恩氏の面会時の写真を公開し、ポンペオ氏が対北外交の中心人物であることをはっきりと示した。(c)AFP