【4月26日 AFP】スペイン・マドリード州のクリスティナ・シフエンテス(Cristina Cifuentes)知事(53)が25日、辞任した。シフエンテス氏をめぐっては、修士課程の修了証書を偽造したと取り沙汰されていた上、2011年に40ユーロ(約5000円)相当の化粧品を万引きした疑惑も浮上していた。

 シフエンテス氏は報道陣を前に、「私のあらゆる行為、私のこれまでの人生に疑惑の目が向けられてきた」と語り、群衆によるリンチの犠牲者だと主張した。

 シフエンテス氏をめぐっては、フアン・カルロス国王大学(URJC)の2011~12年度の修了証書を、必要な全試験を受けず、講義にもほとんど出席していなかったにもかかわらず取得したとして、1か月ほど前からメディアの注目を集めていた。

 さらに25日になって地元メディアは、スーパーで万引きし、警備員にバッグを開けて見せるよう求められている同氏を捉えたものとされる、2011年の動画を放送した。

 シフエンテス氏は、動画自体は本物と認めたものの、化粧品が「意図せず」入ってしまっていたのだと釈明した。

 マドリード州知事を3年間務めてきたシフエンテス氏は、左派に同州の政権を奪われるのを阻止するために退く決意をしたと明かした。

 シフエンテス氏は、一連の汚職スキャンダルで損なわれた保守与党・国民党(PP)のイメージを回復するための取り組みの先頭に立つ政治家と目されていたが、その人物が失墜に追い込まれた。(c)AFP