【4月26日 Xinhua News】メディア融合の進展がますます深まるビッグデータ時代に、取材や編集の手法や読者の閲覧方式はどのような変化が起きるのだろうか。第1回デジタル中国建設成果展で展示された人工知能(AI)技術を搭載したメディア向け作業プラットフォーム「媒体頭脳(メディア・ブレイン)」は、メディアの世界で起こっている取材・編集・配信プロセスの大きな変化を観衆に示した。

 メディア・ブレインは、新華社と中国IT大手アリババグループが共同で出資し設立した新華智雲科技有限公司が研究開発した。AI技術をふんだんに盛り込んだ同システムは企画作りや取材、出稿、配信、フィードバックなど、一連の報道作業で重要な役割を発揮する。メディアの取材や編集はスマート化が進み、正確さを増していくことになる。

展示ブースで説明を担当する 林誠氏

「メディア・ブレイン」は新華智雲が独自に研究開発した国内初のメディアAIプラットフォームです。各メディアに対し、ビッグデータとAIを組み合わせたニュースの作成や配信、モニタリングの機能を提供します。クラウドコンピューティング、IOT(モノのインターネット)、ビッグデータ、AIなど多くの技術を融合させることで、スマート時代における報道インフラの役割を担います。各メディアに対し、報道の切り口や素材を用意し、編集や出稿、配信や拡散、フィードバックやモニタリングなどのサービスを提供することで、報道シーンにおけるアプリケーションとサービスをよりスマート化します。新華智雲はビッグデータやAI技術を通じて、メディアにコンテンツの発掘や収集、編集、ストック、配信、フィードバックなど報道の全過程をカバーする独自のスマート技術を提供したいと考えています。

 【解説】「メディア・ブレイン」は、業界をリードする音声識別機能を持つ。記者ごとにカスタマイズされたアプリケーション「採蜜」と連携させることで、記者はインタビューや会議などの録音内容を自動で文字に変換できる。作業効率が大幅に高まり、その後の編集や確認作業もよりスムーズになる。同時に、インターネット上のさまざまなデータを自動で解析・分析するデータジャーナリズム、知識を関連性に基づき整理し可視化するナレッジグラフなどのAIプロジェクトにおいても「メディア・ブレイン」は高いパフォーマンスを見せる。

展示ブースで説明を担当する 林誠氏

「メディア・ブレイン」は、メディアやコンテンツプロバイダー向けのものです。コンテンツの発掘や収集、編集、ストック、配信、フィードバックなど、コンテンツの生産プロセス全体で利用されます。

 【解説】新華社が報道分野で持つ優れたソースチャンネルと、アリババのクラウドコンピューティングとAI技術が結合した「メディア・ブレイン」は、ユーザーに対し、よりパーソナライズされた、的確なニュース情報を提供する。

展示ブースで説明を担当する 林誠氏

「メディア・ブレイン」はユーザーの関心や所在地など多次元の情報に基づき機械学習を行い、未来志向のスマート配信やパーソナライズされた「おすすめ」機能、音声ユーザーインターフェース(VUI)などのスマート技術を用い、ユーザーごとにカスタマイズされた情報を提供します。今後はさらに、スマートスピーカー、車載システム、スマートウェアラブルデバイスなどのハードウェアを通じて、適切なシーンでよりスピーディーかつ便利にニュース情報を得ることができるようになります。

 【解説】「メディア・ブレイン」は2017年12月26日、四川省成都市で発表された。今年の全国両会(第13期全国人民代表大会第1回会議・中国人民政治協商会議第13期全国委員会第1回会議)で導入され、ニュース報道におけるAIの役割をさらに高い次元へと導いた。(c)Xinhua News/AFPBB News