【4月26日AFP】メキシコ警察は、飛行機の預け入れ荷物に絶滅危惧種の高級魚トトアバの浮き袋を大量に詰めて運ぼうとしていた中国人の男1人を逮捕した。同国の検察当局が25日、明らかにした。

 声明によると、警察が強烈な異臭を放っていたスーツケース2個を調べたところ、トトアバの浮き袋(浮力を調整する器官)416個を発見した。逮捕された男は罰金600ドル(約6万6000円)を支払い、条件付きで釈放された。

 トトアバの浮き袋は中国で若返りの効果があるとされる伝統薬として珍重され、闇市場で2万ドル(約220万円)もの値が付くこともある。

 トトアバはメキシコ西岸のカリフォルニア湾(Gulf of California)に生息。当局によると、密輸には麻薬組織や重武装した密漁者が関わっているため、トトアバの浮き袋は「海のコカイン」とも呼ばれる。

 トトアバ漁で使用される網は、別の絶滅危惧種で世界最小のネズミイルカのコガシラネズミイルカ(通称バキータ)の個体数減少の原因にもなっており、研究者らによると、コガシラネズミイルカの生息数は今ではわずか30頭となっている。(c)AFP