【4月26日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は米議会で演説し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の「米国第一主義」に反対する姿勢を示した。マクロン氏は席上、多国間主義への支持を訴えるとともに、貿易戦争の危険性を警告した。

 同氏は3日間の訪米で、国際問題での大きな隔たりにもかかわらずトランプ大統領と個人的に暖かい関係にあることを示してきたが、締めくくりとなる演説で劇的な変調を見せた。

 両大統領は訪問期間中、抱擁を交わし、互いの友情を繰り返し誇示したが、マクロン氏は議会演説で、貿易、気候、核拡散防止におけるトランプ大統領の政策に反対姿勢を表明。「われわれには、新たな種類の多国間主義、より効果的で、責任ある、結果志向の多国間主義を基礎に、21世紀の世界秩序を構築することができる」と述べ、ルールに基づく世界秩序を擁護した。

 マクロン氏は、フランスはイランとの核合意から撤退しないと宣言する一方、米国による同盟国への関税導入に警告を発した。また「プラネットB」は存在しないと述べ、気候変動に対する世界的な行動が不可欠だと強調した。

 同氏は、国際的な束縛を振り払おうとするトランプ大統領の取り組みに暗黙の了解を示しつつ、「この多国間主義をつくり出したのは、まさに米国だ。あなた方こそが、今、それを守り、つくり直す一助とならなければならない」と述べた。(c)AFP/Michael Mathes