北朝鮮核実験場、昨年の実験で使用不能に 中国の地震学者が発表
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【4月26日 AFP】中国科学技術大学(University of Science and Technology of China)の地震学者らは、北朝鮮北東部・万塔(Mantap)山の地下にある豊渓里(Punggye-ri)核実験場が昨年の実験による大規模な爆発の後に一部崩壊し、使用不能となっているとの見解を示した。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は先週、同国政府は核実験および長距離ミサイル実験を中止し、豊渓里核実験場を閉鎖すると宣言していた。
北朝鮮は過去6回の核実験のうち5回を同実験場で実施した。昨年9月3日の最大規模の爆発はマグニチュード(M)6.3の地震を引き起こし、北部国境の中国側でも揺れが感じられた。北朝鮮は同日、水爆実験を実施したと発表した。
中国の専門家らによる2件の研究論文によれば、最初の地震の8分半後に起きたマグニチュード4.1の余震で山の内部の岩が崩落した。
中国科学技術大学は、このうち1件の論文の要約を同大ウェブサイトに掲載し、「崩落により放射性物質が漏れた可能性があり、引き続き観測が必要」との見解を示した。
また、同サイトの別のページに掲載された英語版の論文要旨は、崩落により万塔山の地下施設が今後の実験で使えなくなったとしている。
この論文は米地球物理学連合(American Geophysical Union)の学会誌「地球物理学研究レター(Geophysical Research Letters)」に掲載される予定。ただ、中国語版の要約には施設が使用不能になったとの記述がなく、該当部分が同誌に掲載されるかは不明。
もう1件の論文は、中国地震局(CEA)の専門家を含む中国の科学者らが率いた研究チームによるもので、同誌に先月掲載された。この論文も、9月の余震で崩落が起きたと結論付けているが、実験場が使用不能となったか、放射能漏れがあるかは断定していない。(c)AFP