【4月25日 AFP】パキスタンの警察当局は25日、同国でイタリア国籍を持つ女性がいわゆる「名誉殺人」により殺害された疑惑が浮上したことを受け、女性の遺体の掘り起こしを行った。女性の死については、伊国内でも大きく報じられている。

 20代半ばとみられるパキスタン系イタリア人のサナ・チーマ(Sana Cheema)さんの死をめぐっては、殺害されたのではとの疑惑がインターネット上で拡散。パキスタン東部グジラート(Gujrat)の警察当局が今週に入り、捜査を開始した。

 警察関係者は「女性の死にまつわる話がソーシャルメディアで拡散した後、警察は女性の家族を見つけ出し、捜査を始めた」と語った。

 現在チーマさんの父親、兄弟、おじが取り調べのため拘束されている。

 グジラートの警察官は、「検死の結果次第だ。殺人によって死亡したことが判明したら、容疑者を訴追することになる」と話した。

 警察によると、家族らはチーマさんが今月に入って何らかの病気で死亡したと主張。また、チーマさんは結婚のために父親によってパキスタンに連れ戻されたものの、結局この縁組を拒絶した近所の家族との間でトラブルが起きたと述べているという。

 また親類たちも警察に対し、チーマさんは拒絶されたことによって、食事を拒否し、病気になって死んでしまったと話している。

 その一方、イタリア各紙はチーマさんの死について、家族の希望に反して同国内にいる男性と結婚しようとしたために殺されたのではないかと報じている。(c)AFP