国境なき記者団、米大統領と中ロ政府は報道の自由への脅威と非難
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【4月25日 AFP】国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」は25日、年次報告書を発表し、政権批判を封じようとする米大統領や中国政府、ロシア政府により、世界各地で報道の自由が脅かされていると警鐘を鳴らした。
RSFは、ジャーナリストに向けられた「憎悪と敵意の風潮」が、メディア統制の企てが増えていることと相まって「民主主義諸国へ脅威」をもたらすと警告。年次報告書で、記者たちへの敵意をかき立てる指導者を伴った権威主義が増長し、その矛先が記者たちへと向かっていると指摘した。
さらに、米国と中国、ロシアという世界の超大国が、報道の自由に対する攻撃を先導していると非難。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が記者たちに対して繰り返し個人攻撃に乗り出し、中国政府は他のアジア諸国での反政権派を抑圧するために自国の「メディア統制モデル」を広めているとした。
またロシアが欧州で煽り立てる「強者」への傾斜とポピュリズム政治は、かつては安全だった地域の自由を脅かし、ハンガリーやスロバキア、ポーランドといった国々では警報が響き始めたと述べている。
RSFのクリストフ・ドロワール(Christophe Deloire)事務局長はAFPに対し、「ジャーナリストに向かって放たれた憎悪は民主主義にとって危険で脅威である」と指摘。 「記者への強い嫌悪感をあおる政治指導者は...プロパガンダではなく事実に基づいた国民的議論という概念をむしばむ。今日ジャーナリズムの正当性に異議を唱えることは、極めて危険な政治的火遊びだ」と話した。(c)AFP/Fiachra GIBBONS