【4月25日 AFP】女性参政権の獲得に尽力した運動家ミリセント・フォーセット(Millicent Fawcett)の銅像が完成し、英ロンドン国会議事堂前の広場「パーラメント・スクエア(Parliament Square)」で24日、除幕式が行われた。今年英国で女性参政権の獲得から100年を迎えたことを記念し、建立された。

 広場には他にウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)元英首相、「インド独立の父」マハトマ・ガンジー(Mahatma Gandhi)、南アフリカの反アパルトヘイト(人種隔離)運動を率いたネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領ら11体の銅像があるがすべて男性で、女性はフォーセットが初となる。

 マーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)氏に次ぐ英国2番目の女性首相であるテリーザ・メイ(Theresa May)首相も除幕式に出席し、フォーセットがいなければ「私は今日、首相としてここにいなかった。女性が議員となることもなく、私たちが現在享受する権利もなかった」と演説した。

 英国では1918年に国民代表法(Representation of the People Act)が成立し、30歳以上の女性約800万人に制限付きながら参政権が認められた。男性と同等の選挙権は1928年まで認められなかったが、この法律はフランスなど他の国々に先駆ける重要な一歩となった。

 銅像は、1997年に芸術界のアカデミー賞と言われるターナー賞(Turner Prize)を獲得した英アーティスト、ジリアン・ウェアリング(Gillian Wearing)氏が手掛けた。パーラメント・スクエアの銅像を女性が制作したのも初めてだ。

 フォーセットは女性が高等教育を受ける機会の拡大に努めたことでも有名で、ケンブリッジ大学(Cambridge University)の女性専用カレッジ「ニューナムカレッジ(Newnham College)」を共同で創設した。

 また、1897年から1901年まで女性参政権協会全国同盟(National Union of Women's Suffrage Societies)の会長を務めた。

 フォーセットは1929年に82歳で死去した。(c)AFP