【4月25日 AFP】イタリアサッカー連盟(FIGC)は24日、幹部がカルロ・アンチェロッティ(Carlo Ancelotti)氏と接触したことを認めたが、現時点で新代表監督の有力候補はいないと強調した。

 昨年9月にドイツ・ブンデスリーガ1部、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)の指揮官を解任されたアンチェロッティ氏は、ローマのホテルで23日にFIGCコミッショナーのロベルト・ファブリチーニ(Roberto Fabbricini)氏、副コミッショナーのアレッサンドロ・コスタクルタ(Alessandro Costacurta)氏と会ったとされている。

 58歳のアンチェロッティ氏は2年契約の提示を受けたと報じられているが、ネックはドイツ時代に遠く及ばない金銭面だという。

 しかしファブリチーニ氏は、同国のラジオ局に対し「アンチェロッティはかなり深刻な家族の問題を抱えているのでローマにいた」と話し、会談は正式なものではなかったと主張している。

「アンチェロッティと親友なのでコスタクルタは彼に会った。そこに私も加わったというわけだ。未来のシナリオについて話し合ったが、われわれにはまだ暫定監督(ルイジ・ディ・ビアジョ<Luigi Di Biagio>氏)との契約がある」

「指導者であればイタリアを指揮するような名誉ある仕事を無視できないだろう。アズーリ(Azzurri、イタリア代表の愛称)のベンチはどんな監督にとっても目標なのだ」

「ポールポジションに人はいない。代表チームは5月28日に(サウジアラビアとの親善試合で)プレーするので、5月20日という新監督発表の期日を尊重したい」

 コスタクルタ氏は伊スカイ・スポーツ(Sky Sport Italia)に対し、「カルロは個人的な理由でローマにいた。泊まっていたホテルは私がいつも利用するホテルだった。同じタイミングでそこにいることに気付いた」と話した。

「公式会談があるか? 答えはイエスだが、それがいつかは分からない。いつでも応じる準備をしてくれている人が必要だ。クラブとの契約下にある監督たちには近づけない」

 FIGCの新監督とコーチの予算は年500万ユーロ(約6億7000万円)となっており、アンチェロッティ氏がバイエルンから受け取っていた1200万ユーロ(約16億円)およびボーナスとはかけ離れている。

 アンチェロッティ氏にはかつて指揮したチェルシー(Chelsea)、シーズン終了後に監督交代となるアーセナル(Arsenal)から接触があるとされているが、コスタクルタ氏はアンチェロッティ氏にすでにオファーし、スタッフを自由に選んでいいと伝えたと報じられている。

 アンチェロッティ氏が就任した場合、バイエルンでアシスタントを務めた息子のダビデ(Davide Ancelotti)氏、アンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)氏、ジャンルイジ・ブッフォン(Gianluigi Buffon)、パオロ・マルディーニ(Paolo Maldini)氏らの入閣がうわさされている。

 昨年11月にスウェーデンとのプレーオフに敗れ、60年ぶりにW杯出場権を逃してジャンピエロ・ヴェントゥーラ(Giampiero Ventura)前監督を解任して以来、世界の頂点に4度立っているイタリア代表の指揮官の座は空位となっている。

 新監督候補には、FCゼニト(FC Zenit)のロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini)監督、チェルシーのアントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督、レスター・シティ(Leicester City)の元指揮官で現在ナント(FC Nantes)で指揮を執るクラウディオ・ラニエリ(Claudio Ranieri)氏らの名前が挙がっている。

 現在イタリア代表は、U-21代表監督のディ・ビアジョ氏が暫定的に指揮を執っている。(c)AFP/Emmeline MOORE