比大使館職員、クウェートでメイド救出関与 主権侵害と激怒され外相謝罪
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【4月24日 AFP】在クウェートのフィリピン大使館の職員が、虐待を加えたとみられるクウェート人の雇用者から逃げるフィリピン人メイドを手助けしている様子を捉えた動画が公になったことを受け、アラン・ピーター・カエタノ(Alan Peter Cayetano)比外相は24日、クウェート側に謝罪した。
今年2月にクウェートでメイドとして働いていたフィリピン人女性が殺害され、両国の外交問題に発展している中、クウェート側は比大使館職員の行為を主権の侵害と非難している。
フィリピン外務省は先週、建物から走り出し待ち構えた車に飛び乗る女性と、工事現場とみられる場所から車で走り去る人物を捉えた2本の動画を公開。動画はソーシャルメディアでも拡散されていた。
カエタノ外相はマニラで記者団に対し、「クウェートのフィリピン大使館が行った行為によって感情を害したのであれば、私は相手国の外相に謝罪し、われわれはクウェートの政府、国民、指導者たちに謝罪する」と語った。
動画で捉えられた車両は比大使館に向かったとされ、運転していたフィリピン人3人は現在クウェート当局に拘束されているものとみられる。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は23日、この件に関して駐比クウェート大使と面会しており、カエタノ外相は公式に謝罪の書簡をクウェートに送付したという。
クウェート側は動画が拡散して以降、こうした行為は「2国間の関係を損ないかねない」もので主権の侵害に当たると激怒。
一方、カエタノ外相は比大使館の職員が、クウェートで働くフィリピン人26万人の一部から虐待の報告を受けて対応したものと釈明し、「フィリピン人を守るというとっさの行動の中でなされた行為」であり、大使館職員は「生きるか死ぬか」の状況に対応していたものとみられると述べた。(c)AFP