【4月25日 CNS】阿里巴巴(アリババ、Alibaba)は、同社の研究開発機関「達摩院(DAMO)」が現在、ニューラルネットワーク(神経回路網)向けチップ「Ali-NPU」を開発していることを明らかにした。

 アリババが開発中のAIチップは、画像や動画の分析、機械学習など、人工知能(AI)による推理や計算に用いられる。将来のAI商用での活用に向けて、演算効率向上とコストダウンを目指す。

 達摩院によると、CPUやGPUは汎用プロセッサとして、スレッドのロジックやグラフィックの処理を行うために設計された。AIの演算処理に際しては消費エネルギーが高く、コストパフォーマンスが低いという問題があり、AI演算処理分野で専用のアーキテクチャ・チップを開発してこうした問題に対処することが急務となっていた」という。

「Ali-NPU」は、アリババのAI技術研究開発チームがAI分野で蓄積した大規模演算モデルを活用し、最小コストで最大のAIアルゴリズム演算を実現する。

 中国では多くのスタートアップがAIチップの開発に取り組んでいる。清華大学(Tsinghua University)研究チームは2018年初めに単3電池8本で1年間稼働できる省エネ型AIチップ「思考者(シンカー、Thinker)」を開発し、海外メディアの注目を集めた。

 また、AIチップの開発・生産を手がけるスタートアップ寒武紀科技(カンブリコン、Cambricon)の「Cambricon-1A」は商用ディープラーニングのCPUで、コンピューターの視覚、音声認識、自然言語処理など幅広い処理に対応している。

 2017年末には、AI半導体の開発を手がける地平線機器人(Horizon Robotics)が、組み込み式のAIチップ——スマート運転技術のCPU「征程(Journey)1.0」とスマートカメラのCPU「旭日(Sunrise)1.0」を発表した。(c)CNS/JCM/AFPBB News