行方不明の学生3人、麻薬組織が拉致し殺害 酸入りのたるも メキシコ
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【4月24日 AFP】メキシコ第2の都市グアダラハラ(Guadalajara)で、男子学生3人が先月から行方不明になっていた事件の捜査当局は23日、3人は拉致され、拷問を受けた後に殺害されたと発表した。遺体は酸に漬けられた可能性があるという。
3人はグアダラハラの映画学校に通うサロモン・アセベス・ガステラム(Salomon Aceves Gastelum)さん(25)、ダニエル・ディアス(Daniel Diaz)さん(20)、マルコ・アバロス(Marco Avalos)さん(20)。先月19日、グアダラハラ郊外で学校のプロジェクトの映画撮影を終えて帰宅する途中に行方不明になっていた。目撃者らによると、6~8人の男が3人の行く手をさえぎり、学生たちを車に押し込んで逃走したという。
捜査官らが、学生らが撮影を行っていた南部チアパス(Chiapas)州トナラ(Tonala)にある家屋で液体の酸が入ったたる3個を押収し、3人の死亡を確認した。たるの中に3人の遺体の痕跡がないかDNA鑑定を行って調べるという。
3人の同級生やアカデミー賞(Academy Awards)を受賞歴のあるギレルモ・デル・トロ(Guillermo del Toro)監督やアルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuaron)監督といったメキシコの大物映画人らが3人の解放を求めて激しい抗議デモを展開していたが、事件は陰惨な結末を迎えた。
リセット・トーレス(Lizette Torres)主任捜査官は、犯人は殺害された学生らが通っていた映画学校があるハリスコ(Jalisco)州を拠点とする大手麻薬組織「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」のメンバーだろうと語った。拉致された学生のうちの1人に「ハリスコ新世代」と敵対する組織と関わる親族がいることから、捜査当局は3人は報復として殺害されたとみている。(c)AFP