【4月23日 AFP】フランス北西部で22日、人気観光地モンサンミシェル(Mont Saint-Michel)へ向かうバスの中で地元治安部隊を攻撃すると口走った男がいるとの通報を受け、当局が観光客を一時避難させ、この男の捜索を行う騒ぎがあった。

 ノルマンディー(Normandy)沖のモンサンミシェルには中世の修道院がそびえ、毎年200万人以上の観光客が訪れる。国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)にも登録されている。

 観光客を乗せたシャトルバスに同乗していたツアーガイドが同日午前7時45分(日本時間午後2時45分)、襲撃をほのめかすような発言をした男がいると通報。

 モンサンミシェルがあるマンシュ(Manche)県のジャンマルク・サバテ(Jean-Marc Sabathe)知事によると、男はその後カフェの店主といさかいを起こし、治安部隊への襲撃を示唆する言葉を重ねたという。

 警察は他の数人からも通報を受け、男の初期動向を監視カメラの映像で追った。しかし男の姿を見失ったため、観光客を避難させてヘリコプターによる捜索に踏み切った。

 サバテ知事はラジオ局フランスブルー(France Bleu)に対し、「男の真意が不明だったため、予防措置として避難させた」と明かし、「男はその日の最初の観光客らに紛れ込んでいた。発砲も武器もなかった。その人物が既に現地に居ないことを治安部隊が確認し次第、避難を解除する」と述べた。

 現地当局者によると、モンサンミシェルは午後2時(日本時間同9時)に再び一般公開されたという。(c)AFP/Wafaa ESSALHI