「感動的な一日だった」 国王杯で輝き放ったイニエスタ 今週中に去就発表へ
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【4月22日 AFP】スペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)を今季限りで退団することが濃厚とされているアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)が、優勝した21日のサッカースペイン国王杯(Copa del Rey 2017-18)の試合後、「感動的な」決勝だったと話し、「今週中」に去就を発表する予定を明かした。
他クラブからのオファーを検討しているといわれる33歳の生え抜きのチーム主将は、セビージャFC(Sevilla FC)との決勝では年齢による衰えを感じさせない卓越したプレーを披露し、最後はチーム4得点目も奪ってみせた。終了間際に交代を告げられた際には、セビージャのファンも含めた観客がスタンディングオベーションを送る中、涙を浮かべながらピッチを後にし、そして表彰式では国王杯のトロフィーを掲げた。
イニエスタの今後については、中国スーパーリーグ(1部)に所属する重慶当代力帆(Chongqing Dangdai Lifan)のトップスポンサーが今週、国営新華社(Xinhua)通信にイニエスタが加入に「前向き」だと話している。また2018年に入ってからは、同じくスーパーリーグの天津権健(Tianjin Quanjian FC)も候補に挙がった。
イニエスタは「今週、自分の決断を公にしようと思っている。だけど、きょうのような日はこれから何回も訪れる」と話し、これがバルセロナで最後の国王杯になるのかと問われると「その可能性はある。今は数日後に発表するとしか言えない。きょうは本当に特別で感動的な日だ」と答え、「どんな決断をしたのかを今週話す。少しわかってしまっているような気もするけれど、もうちょっと待ってほしい」と明かした。
バルセロナはリオネル・メッシ(Lionel Messi)のゴールとルイス・スアレス(Luis Suarez)の2得点で前半に大量リードを奪うと、終盤にはフィリペ・コウチーニョ・コレイア(Philippe Coutinho Correia)がPKからチーム5得点を決め、大会4連覇を果たした。しかし、この日の主役はイニエスタだった。セビージャの守護神ダビド・ソリア(David Soria)もかわして放ったしびれる4得点目は、イニエスタが個の輝きを放った瞬間だった。
セビージャのヴィンツェンツォ・モンテッラ(Vincenzo Montella)監督は「きょうの彼のプレーレベルはとてつもなく高かった。まるで25歳のようだった。代わりを見つけるのは難しいだろう」と話し、バルセロナのエルネスト・バルベルデ(Ernesto Valverde)監督も「選手時代の私が、右腕を差し出したらイニエスタやメッシのようなプレーができるようにしてやると言われたら、喜んで言う通りにしていただろう。彼のような選手がチームにいるのは幸運としか言いようがない」とコメントした。
イニエスタにとっては、これが自身6回目の国王杯のタイトル。そのほかにもすでにリーグ優勝8回、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇4回、さらにはスペイン代表でのW杯優勝など数多くのタイトルを獲得しているイニエスタだが、さらにもう一つコレクションを増やせる可能性があり、次週に行われるデポルティボ・ラ・コルーニャ(Deportivo La Coruna)戦に勝利すれば、リーグ優勝の回数は9回に伸びる。
イニエスタは「チームとしても、個人としても、すべての面で最高の夜だった。リーグも制し、ファンの口に良い後味を残したい。とても感動的な一日だったし、すごく幸せだ」と話した。
チームメートのジョルディ・アルバ(Jordi Alba)は「きょうも、そしてこれまでも、彼とロッカールームで一緒にいられたのは喜びだった。あのポジションでも、人としてもナンバーワンだ。本人の決断を尊重すべきだし、それだけのことをしてきた選手だ。だけどイニエスタが去る日はみんな泣くだろう。誰もが恋しく思うはずだ」とコメントした。(c)AFP