【4月20日 AFP】インドネシア・アチェ(Aceh)州の州都バンダアチェ(Banda Aceh)で20日、公共の場で愛情表現をしてシャリア(イスラム法)に違反したとして有罪判決を受けた男女8人が、公開むち打ち刑に処された。同州は先週、多くの批判の声が上がっている公開むち打ち刑について、今後は屋内で実施すると発表したばかり。

 刑が執行されたモスクの外には、隣国マレーシアからの観光客らも含め1000人以上が集まり、むちを打たれる男女にやじや侮辱の言葉を浴びせた。

 むち打ちを受けた学生数人を含む男性3人と女性5人は、公の場で愛情を示す行為に及んだほか、インターネット上で性的なサービスの提供を持ち掛けていたとしてシャリア違反の罪に問われたという。

 アチェ州はスマトラ(Sumatra)島の北端に位置し、世界最多のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアで唯一、シャリアが施行されている保守的な州。むち打ち刑は同州で賭博、飲酒、同性愛者間の性行為、婚外交渉などの違法行為に適用される一般的な刑罰になっている。

 同州では先週、今後むち打ち刑は刑務所内のみで行うとする規制案が通過したものの、新しい規則がいつから施行されるのかは明らかになっていない。むち打ち刑はLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の人びとやイスラム教徒以外の人びとにも実施されており、国際的な批判を招いている。(c)AFP