【4月19日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は、若くスタイリッシュな李雪主(リ・ソルジュ、Ri Sol-Ju)夫人に「女史」という肩書を与えた。専門家らは、相次いで行われる予定の韓国および米国との首脳会談を前に、李夫人のファーストレディーとしての役割を強調する狙いがあるとみている。

 元人気歌手の李夫人は、これまでにも金委員長に同行して公式行事に姿を見せることはあったが、先週末には、訪朝していた中国芸術団によるバレエ公演を単独で鑑賞した。

 これについて報じた北朝鮮の国営メディアは、夫人を「尊敬する李雪主女史」と表現。同国でこの「女史」という肩書が用いられるのは40年以上ぶりで、しかもこれまで北朝鮮の元首にのみ用いるのが常だった「尊敬する」という形容詞も添えられた。

 李夫人のバレエ鑑賞には、金委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)朝鮮労働党第1副部長をはじめ、通常は金委員長に同行する政府高官らも姿を見せた。

 北朝鮮のこの動きについて専門家らは、韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領との南北首脳会談を27日に、その後、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領との首脳会談を控え、自国の「正常国家」ぶりを誇示する試みの一環の可能性があるとみている。

 さらに、文大統領の妻、金正淑(キム・ジョンスク、Kim Jung-sook)夫人や、トランプ大統領の妻、メラニア・トランプ(Melania Trump)夫人と同じファーストレディーとしての位置付けの狙いもあるとみられる。(c)AFP/Sunghee Hwang