【4月19日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は18日、W杯ロシア大会(2018 World Cup)では全試合でビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が4人配置され、リプレー映像はスタジアム内の巨大スクリーンに映し出されることになると発表した。

 FIFAの審判委員会会長を務めるピエルルイジ・コッリーナ(Pierluigi Collina)氏は、イタリア・フィレンツェ近郊のコヴェルチャーノ(Coverciano)で行われたトレーニングセミナーで、「すべてがモスクワの1か所に集約される。すべてのVARがモスクワをベースとする」とコメントしている。

 これから2週間かけて36人の審判、63人のアシスタントで構成される2つのグループがW杯に向けてコヴェルチャーノでトレーニングを受け、ロシア大会で初めて導入されるVARシステムのワークショップに参加する。

 元審判のロベルト・ロゼッティ(Roberto Rosetti)氏は、大会期間中にVARがどういった機能を果たすかを説明している。

「4人のVARスタッフが配置される。VARのリーダーは主審とコミュニケーションを取り、主審にサイドラインで映像の検証を提案したりする。VARアシスタントナンバー1は、プレーの見直し中も試合をライブでフォローし続ける。VARアシスタントナンバー2は、オフサイドに特化する」

 大会期間中は、オフサイドを判定するために特別なカメラが2台使用されるという。

 VARアシスタントナンバー3は、リーダーのサポートやチーム全体のコミュニケーションの円滑化などにあたる。VAR4人に加え、スクリーンやカメラアングルの技術者4人、巨大スクリーンで決定を伝えるFIFAの代表1人も配置されることになる。

 コッリーナ氏は「われわれは目的を忘れてはならない。VARの成功はそれがどれだけ理解されたのかにかかっている。目的は明確で重大なミスを防ぐこと。テクノロジーで試合を裁くという議論ではない。細かい出来事すべてをチェックすることが目標ではない」と話している。(c)AFP