中国、ごみの分別実施から1年 実態は大多数が分別せず
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【4月20日 CNS】国務院弁公庁が2017年3月30日に「生活ごみ分別制度実施プラン」を公表し、生活ごみの分別がスタートした。あれから1年が経った今、ごみ分別の実施状況はどうなっているのだろうか。現地を取材した。
北京市(Beijing)を例に取ってみると、ごみ分別の実施状況はまちまちだ。
ある居住区では生ごみ、決められた分別のほか、木材やガラス、古着などの専用のごみ捨て場もある。ごみ収集業者やごみ分別の住民ボランティアが現場で分別している居住区もあった。一方、ごみ箱が1種類しかなく、すべてのごみが一緒に捨てられている地区もある。
公共スペースのごみ箱はリサイクルできる物とリサイクルできない物の2種類が一般的だが、リサイクル不可のごみ箱にペットボトルが捨ててあった。生ごみはどちらのごみ箱にも捨てられていた。
また、使い終わった電池などの有害ごみ捨てるためのごみ箱はほとんど見当たらず、多くは生活ごみと一緒に捨てられていた。
「生活ごみ分別制度実施プラン」は、ごみの細かい分別を推奨している。有害ごみは、使用済み電池、薬品、ペンキなどとされ、専用のごみ捨て場所をわかりやすい位置に設け、「有害ごみ」と表示するように求めて
ごみを分別する住民ボランティアは、「住民たちはごみの分別の意識はないと思う。全部一つの袋に捨てている。また、ごみ袋を一番近いごみ箱に捨てる人も多い」と話している。清華大学(Tsinghua University)環境学院の劉建国(Liu Jianguo)教授は、「現在の中国のごみ分別に関する規則は、強制ではない。環境に対して個人の責任を果たさせるためには強制力も必要だ」と話す。
「生活ごみ分別制度実施プラン」は、ごみ分別を推進するため住民にインセンティブを与えることも言及しているが、多くの住民は内容をよく知らないようだ。
劉教授は、「ごみの分別は一人ひとりが参加しなければならない。個人の習慣を変えるのは難しく、1年や2年では成果が表れないだろう」と話す。
中国の飲食産業の急速な発展に伴い、生ごみも急増している。産業市場を研究する前瞻産業研究院によると、2016年の中国の台所ごみは約9700万トンだったという。
また、使用済み電池以外の有害ごみについて知らない人が多く、分別せずに捨ててしまい、環境に悪影響を与えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News