【4月19日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は18日、太陽系の外にある惑星を探索する最新型の人工衛星「TESS(テス)」を、フロリダ州ケープカナベラル(Cape Canaveral)のケネディ宇宙センター(Kennedy Space Center)から打ち上げた。4台のカメラで全天の85%をスキャンし、生命が存在する可能性のある地球大の惑星を探す。

「3、2、1、発射!」──3億3700万ドル(約360億円)を投じて開発されたトランジット系外惑星探索衛星「TESS」は、現地時間18日午後6時51分(日本時間19日午前7時51分)、米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)のロケット「ファルコン9(Falcon 9)」で青空高く打ち上げられた。

 洗濯機ほどの大きさのTESSは、惑星が恒星の手前を通過する際に恒星が減光する「トランジット」という現象を観測し、惑星が存在するかどうかを調べる。この手法は間もなく活動停止を迎えるケプラー(Kepler)宇宙望遠鏡と同じだが、後継として開発されたTESSはケプラーより350倍も広範囲を観測できる。

 NASAでは、TESSを用いて2万個ほどの太陽系外惑星を発見できると予測しており、このうち地球大の惑星は50個以上、地球より大きいが2倍には満たない大きさの惑星は最大500個見つかると見込んでいる。

 TESSが発見した惑星については、地上と宇宙の両方に設置された天体望遠鏡でさらに観測を進め、岩石の地形があるか、大きさは地球と同等か、太陽との距離が近すぎも遠すぎもせず水が液体で存在できる気温かどうかなど、生命が存在する可能性を示唆する条件を調べる。

 TESSの打ち上げは当初16日に予定されていたが、ファルコン9ロケットのナビゲーション・システムの最終調整を行うため発射2時間前に延期となっていた。(c)AFP/ Kerry SHERIDAN