【4月18日 AFP】インドネシアの警察当局は18日、同国内で数十人が死亡した密造酒事件の主犯とみられる男を逮捕したと明らかにした。男は有罪となった場合、終身刑を言い渡される可能性があるという。

 逮捕されたのはサムスディン・シンボロン(Samsudin Simbolon)容疑者で、18日にスマトラ(Sumatra)島のパーム油農園にいたところを発見された。同容疑者が中心となって製造したとされる密造酒により、西ジャワ(West Java)州では50人近くが死亡したとみられている。

西ジャワ州の警察当局の幹部によると、シンボロン容疑者は18日夜に首都ジャカルタに飛行機で身柄を移送され、その後バンドン(Bandung)に移されるという。同容疑者は危険物を販売した罪で起訴される見通し。有罪となれば終身刑が言い渡される可能性があるという。

 インドネシアでは先月以降、有毒な密造酒により国内各地で100人前後が死亡したとみられ、さらに数十人が重体となっており、密造酒をめぐる一連の事件により近年最悪の被害が出ている。

 別に逮捕された容疑者らは、純アルコールにコカ・コーラ(Coca-Cola)や栄養ドリンク、せき止め薬、さらには蚊よけ剤を混ぜたと供述している。

 シンボロン容疑者が密造酒の製造に携わっていたとみられる西ジャワ州の州都バンドンでは今月、死者が相次いだことを受け非常事態が宣言されていた。(c)AFP