【4月16日 AFP】深刻な大気汚染問題に取り組む中国では、スモッグに悩む都市のど真ん中に巨大な空気清浄装置を設置するという斬新な手法が試みられている。

　同国北部・陝西省（Shaanxi）の省都西安（Xian）郊外に設置された高さ60メートルの建造物からは、同省の工場群にそびえ立つ煙突から排出されるような黒煙ではなく、清浄な空気が放出されている。

　中国のウェブサイト「Thecover.cn.」の報道によれば、高層ビル街に設置された空気清浄装置は、天候や季節、汚染レベルによって1日に500万～1800万立方メートルの空気を浄化することができる。また、健康に有害な影響を与えるとされる微小粒子状物質PM2.5の濃度を、10平方キロあたり10～19パーセント低下させることができるという。

　2016年6月に設置された装置は現時点でまだ実験段階にあるが、設計者らは同様の施設を市内各地に建設したいとしている。

　中国科学院（Chinese Academy of Sciences）の環境保護専門家は記者団に対し、市内1000平方キロをカバーするためには同様の施設が100ほど必要だと話している。(c)AFP