名門パリ・オペラ座バレエ団でいじめやセクハラ、内部調査漏えい
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【4月17日 AFP】世界で最も名高いバレエ団の一つ、パリ・オペラ座バレエ団(Paris Opera Ballet)の団員らが回答した無記名アンケートの結果から、いじめやセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)が横行していることや、芸術監督のオレリー・デュポン(Aurelie Dupont)氏(45)の統率力を疑問視する声が上がっていることが明らかになった。
AFPが内容を確認した調査結果によると、132人のダンサーの90%がバレエ団は円滑に運営されていないと回答し、77%がいじめに遭ったことがある、もしくは同僚がいじめられているのを目撃したと回答した。約26%が仕事先で性的嫌がらせを受けた経験がある、または同僚が性的嫌がらせを受けているのを目撃したとことがあると答えた。
パリ・オペラ座のステファン・リスネ(Stephane Lissner)総支配人は、オペラ座内部のダンサーの組織が実施した前例のないアンケートの結果が報道機関に漏えいしたことに驚きをあらわにした。
リスネ氏は、同バレエ団は性的嫌がらせを一切許容しない方針を取っているとして苦情を訴えた団員らに名乗り出るよう強く促すとともに、団員らの気持ちを理解し問題を解決するため、職員たちと冷静に話し合いを行うことを約束した。
また同氏は、パリ・オペラ座は「素晴らしい芸術監督」であるデュポン氏に完全な信頼を寄せていると強調した。
同バレエ団では、ハリウッド女優ナタリー・ポートマン(Natalie Portman)さんの夫、バンジャマン・ミルピエ(Benjamin Millepied)氏が電撃的に芸術監督を辞任した後、2016年に元エトワール(プリンシパルダンサー)のデュポン氏が後任として任命された。
約100人のダンサーが調査結果の漏えいに動揺しているとする共同声明に署名したが、一部のダンサーらはデュポン氏に対する不満の声があることを認めた。あるダンサーは匿名を条件に、デュポン氏には「マネジメント能力がまったくないと思われ、その能力を身に付けようとする意欲も感じられない」と話した。(c)AFP