一連のセクハラ報道でピュリツァー賞、米NYタイムズとニューヨーカー誌
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【4月17日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)と米誌ニューヨーカー(New Yorker)は16日、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)問題に関して文化的転換をもたらすことになった一連の衝撃的な報道で、米新聞界最高の栄誉とされる「ピュリツァー賞(Pulitzer Prize)」を受賞した。
同賞はニューヨーク・タイムズ紙ではジョディ・カンター(Jodi Kantor)記者とミーガン・トゥーイー(Megan Twohey)記者が率いる取材チームに、ニューヨーカー誌では取材記事を寄稿したローナン・ファロー(Ronan Farrow)氏にそれぞれ贈られた。これらの報道をきっかけにハリウッド(Hollywood)の大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏は失脚し、他の権力を握る男性らに対する告発も殺到した。
昨年10月、ニューヨーク・タイムズ紙とニューヨーカー誌で告発記事が発表されて以来、100人以上の女性がワインスタイン氏からセクハラや性的暴行を受けたことを公に告発。セクハラ告発運動「#MeToo(私も)」が巻き起こり、影響力のある数々の男性が職や名声を失った。
現在30歳のファロー氏は女優のミア・ファロー(Mia Farrow)氏と映画監督ウディ・アレン(Woody Allen)氏の息子。神童とも言われ、弱冠21歳で名門エール大学法科大学院(Yale Law School)を卒業。栄誉ある国際的フェローシップ制度ローズ奨学生(Rhodes Scholar)に選ばれたこともある。
ファロー氏はテレビ番組のホストになったり、米国のリチャード・ホルブルック(Richard Holbrooke)アフガニスタン・パキスタン担当特別代表(故人)に仕えてアフガニスタンやパキスタンで仕事をしたり、またヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官(当時)に世界の若者問題について助言を行ったりした経歴も持つ。
ファロー氏は、養子として迎えられた姉ディラン・ファロー(Dylan Farrow)さんが7歳の時にアレン氏から性的虐待を受けたと主張していることを支持している。一方アレン氏は一連の疑惑を繰り返し否定している。(c)AFP/Jennie MATTHEW