【4月15日 AFP】昨年ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領から解任されたジェームズ・コミー(James Comey)前米連邦捜査局(FBI)長官は15日放送予定の米ABCのインタビューで、2016年大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が国務長官在任中に公務で私用メールアドレスを使っていた問題の調査再開を発表すると決めたのは、当時はクリントン氏が当選すると信じており、クリントン氏勝利の正当性を確保したかったからだと述べた。

 コミー氏は、自分が当時考えていたことを細部まで覚えているわけではないが、もし私用メール問題を米国民の目から隠せばクリントン氏の当選が決まった時、そしてこの問題が明るみに出た時に、クリントン氏が不当に当選したと見なされると考えていたと思う、と語った。

 コミー氏は著書「A Higher Loyalty: Truth, Lies, and Leadership(高い忠誠心:真実とうそとリーダーシップ)」で、クリントン氏の正当性についての自身の懸念は「選挙戦が接戦だった場合やドナルド・トランプが全ての投票でリードしていた場合よりも大きくなっていたことは十分にあり得る」と書いており、インタビューでの発言と符合する。

 FBIは投票日11日前の2016年10月28日、この問題の調査再開を明らかにした。クリントン氏はこの発表が大統領選敗北の一因だったと述べている。(c)AFP