【4月15日 AFP】国連安全保障理事会は14日、米英仏によるシリアへのミサイル攻撃を非難する決議案を否決した。決議案はロシアが提出したもの。賛成は3票にとどまり、採択に必要な9票を大きく下回った。反対は8票、棄権は3票だった。

 米英仏は、シリア反体制派が支配する町、ドゥーマ(Douma)に対して同国政府軍が化学兵器を使ったとし、14日未明に報復として首都ダマスカスなどを攻撃した。

 その後、ロシアのワシリー・ネベンジャ(Vassily Nebenzia)国連大使は安保理に対し、シリアへの「侵略」を非難し、米英仏にさらなる攻撃の自制を求める決議案の採決を同日中に行うよう求めていた。ニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)米国連大使は会合で、米国は「臨戦態勢にある」と述べ、シリア政府軍が新たな化学兵器攻撃を実行した場合に追加攻撃を行う用意があると警告した。

 英国のカレン・ピアース(Karen Pierce)国連大使は会合前、記者らに対し、今回の軍事行動はシリア内戦で度々使用されてきた毒ガスによる「さらなる人道的苦痛を緩和する」ための措置であり、「正しく、合法だ」と述べた。

 ロシアのネベンジャ大使は採決後、米英仏の3か国が「自らを国際法より上に位置付けているばかりか、国際法を書き換えようとしている」と批判した。

 採決では中国とボリビアがロシア案に賛成する一方、米英仏、スウェーデン、オランダ、ポーランド、クウェート、コートジボワールが反対した。また、ペルー、カザフスタン、エチオピア、赤道ギニアは棄権した。(c)AFP