アフリカから欧州へ通い続け…コウノトリのつがい、遠距離恋愛16年目に
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【4月13日 AFP】クロアチアで、体の不自由な雌鳥の元へ毎年、アフリカから遠距離をものともせずに通い続ける、誠実な雄のコウノトリがいる。
越冬地であるアフリカ南部を飛び立った雄のコウノトリ「クレペタン(Klepetan)」は今年の3月後半、クロアチア東部の小さな町ブロドスキーバロシュ(Brodski Varos)に16年連続で戻ってきた。
その地でクレペタンは、こよなく愛する雌のコウノトリ「マレーナ(Malena)」と再会を果たした。このつがいはすでに62羽ものひな鳥をかえしてきたといい、その誠実な遠距離恋愛ゆえにクロアチアで有名になった。
地元の学校で管理人を務めていたスチェパン・ボキッチ(Stjepan Vokic)さん(71)は1993年、ハンターに羽を撃たれたマレーナを池の近くで見つけ、それ以降マレーナの世話を続けてきた。
マレーナは冬の間、暖房器具と水槽を備え付けられ、ボキッチさんが「即席のアフリカ」と呼ぶ倉庫で過ごす。
春になるとボキッチさんはマレーナのために、倉庫の屋根に大きな巣をつくる。
その一方、父親のクレペタンは8月に入ると、アフリカ南部へ飛び立つのを前に、ひな鳥たちに飛び方を教える。
その後クレペタンは最終的に、マレーナが暮らす町から約1万4500キロメートル離れた南アフリカ・ケープタウン(Cape Town)の近くまで、1か月以上かけて移動するという。
アフリカに行けないマレーナは、ボキッチさんと過ごす。ボキッチさんはコウノトリの生息地である湿地から離れているために、マレーナを風呂に入れたり、乾燥しないよう脚にクリームを塗ってあげたりする。
ボキッチさんはAFPに対し、「マレーナをアフリカへ連れて行ってあげることはできないから、釣りに連れて行っている。テレビを一緒に見ることさえあるよ」と語った。(c)AFP