【4月12日 AFP】シンガポールのシンガポール動物園（Singapore Zoo）で、最も人気の動物の一頭、ホッキョクグマの「イヌカ（Inuka）」の健康状態が高齢の影響で著しく悪化し、安楽死が検討されている。同園の職員が12日、明らかにした。

　熱帯地域で初めて生まれたホッキョクグマとされているイヌカは27歳。人間でいえば70歳を優に超え、飼育下のホッキョクグマの平均寿命より2歳年上だ。

　同園を運営するワイルドライフ・リザーブ・シンガポール（Wildlife Reserves Singapore）は、今月3日に行った検査でイヌカの健康状態が著しく悪化していることが明らかになったと述べた。イヌカはこれまで数回にわたって関節炎の治療を受けていた。

　また声明によれば、イヌカの活動レベルは過去3か月間で低下し、現在は飼育員と遊ぶよりも休息することを好むようになったという。

　同園で生まれ、今では「最も際立った高齢の住民」と評されるイヌカ。プールで遊ぶ姿などが来園客に人気だったが、現在は泳ぐことを控え、歩く姿は重く、堅苦しい。また、パイロンやボール、好物を入れた氷の塊で遊ぶことにも興味を持たなくなっているという。(c)AFP