名将カペッロ氏が監督業引退「やりたかったことは全部やった」
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【4月10日 AFP】サッカー元イングランド代表監督で、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)などを率いたファビオ・カペッロ(Fabio Capello)氏が、監督業からの引退を発表し、自身がイタリア代表の指揮官に就く可能性を否定した。
現在71歳のカペッロ氏は、先月に中国スーパーリーグ(1部)の江蘇蘇寧(Jiangsu Suning)の指揮官から退任して以降、空位となっていた母国イタリア代表監督への就任が取りざたされていた。
イタリア放送協会(RAI)のラジオで「すでにイングランドやロシアで代表チームを経験し、もう一度クラブを率いたいと思っていたが、江蘇が私の最後のチームになる」と話したカペッロ氏は、「やりたかったことは全部やった。自分がやってきたことには非常に満足しているし、テレビ解説者になることを大変うれしく思っている」と語った。
またカペッロ氏は、2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)出場を逃したことで解任されたジャンピエロ・ヴェントゥーラ(Giampiero Ventura)前監督の後任となるイタリア代表の指揮官には、現在ロシア・プレミアリーグのFCゼニト(FC Zenit)を率いるロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini)氏が適任だと考えている。
過去にイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティ(Manchester City)で監督を務めたマンチーニ氏について、「ロベルトは世界中を旅してきた経験豊かな監督だ」というカペッロ氏は、「彼の経験は選手との関係をつくるうえで役に立つと思うが、代表にはタレントが欠けている」としながらも、「良い監督がいる時には、良い選手がいるものだ」と付け加えた。
「平凡な選手で良い結果を出すのは難しい。現時点でイタリアサッカー界には違いを生み出せる選手はいないし、リーダーもいない」
「セリエAも極めて質が低い。人は一流から学ぶものだが、その一流が海外の強豪クラブから買い集められたのであれば、イタリアサッカーには手本になる良い指導者や選手はいないことになる」
イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)やユベントス(Juventus)、ASローマ(AS Roma)でも指揮を執るなど、監督として輝かしいキャリアを築いたカペッロ氏は、昨年6月に多額の資金で海外の選手や獲得を呼び寄せる中国リーグに戦いの場を移していた。(c)AFP