隠し撮りで羊の虐待発覚、豪の家畜輸送船を出航阻止
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【4月9日 AFP】オーストラリアの家畜輸送船で動物たちが劣悪な環境に置かれ、死んでいく様子を隠し撮りした映像が公になったことを受け、同国から中東に5万頭以上の羊を運搬する予定だった船が当局に出航を阻止された。
オーストラリアの家畜動物の輸出額は年間8億豪ドル(約650億円)以上に上るが、沖合の食肉処理施設で畜牛が虐待を受けている様子を撮影した映像が明るみに出たことで、同国では近年動物の輸出に対して厳しい視線が注がれている。
パナマ船籍の家畜輸送船で撮影された最新の映像には、排せつ物まみれの大量の羊が狭くて暑苦しいスペースに詰め込まれ、多くが死んでいる様子が捉えられていた。
映像は豪動物愛護団体のアニマルズ・オーストラリア(Animals Australia)が公開したもので、昨年オーストラリアの港からカタール、クウェート、オマーンに家畜を輸送した船の内部で撮影されたものだという。
8日に映像を放送した豪テレビ局チャンネル・ナイン(Channel Nine)によると、羊は10階建ての船に積み込まれ、北半球の「溶鉱炉のような」暑い夏の時期でも3週間立ちっぱなしにされていた。
また映像を撮影した人物によると、輸出してはいけないことになっている生後間もない子羊や妊娠中の羊も船内で死んでおり、死骸は船外に投げ捨てられていたという。オーストラリア海洋安全局(AMSA)は9日、死んだ羊の数は数千頭に上ると明らかにした。(c)AFP